2010年10月30日土曜日

顔がない

8月28日から10月21日まで、某砂漠と石油とイスラムの王国へ出張してきた。
まあいかんせん仕事目的だったし、かなり忙しくて観光する余裕もなかったのだけど、日本人一般にとっては距離ではなく心理・文化的にかなり遠い世界で、何を書いても珍しい話になると思うので、見聞きしてきたことについて紹介しようと思う。

ちなみに、某砂漠と石油とイスラムの王国に限らず、中東諸国は一部を除いて写真を撮ることに対して一般的に好意的でなく、場合によっては警察(or宗教警察)に注意を受けるような場合もあるらしい。これは『地球の歩き方』にも書いてあったので、事実と考えて間違いない。

であるからしてですね、僕は彼の国では一切写真など撮ってません。
以後僕が彼の王国についての記事にて掲載するだろう写真・画像は、飽くまでイメージであって、僕がどこかから電子的に拾ってきたものである、と、そういう理解でお願いします!


今日のテーマ:顔がない

ショッピングセンターにて。ポスターのモデルの顔がない。
やはり顔がない。それにしても、日本人男性の性か、ボカシで消されるとなんだか卑猥なもののような気がしてくる。

イスラム圏では、一般的に女性が髪やボディーラインを顕にするということは忌避されているのだけど、この国では女性はムスリマ(女性イスラム教徒)であるか否かに関わらずアバヤと呼ばれる民族衣装を頭からすっぽり被って顔を隠すことが法律で義務付けられている、、、らしい。その条文そのものは読んだこと無いけど。
私見ではこれはイスラムじゃなくてアラビア半島の民族文化だと思うのだけど、この国の人はこれをイスラム教の戒律だと思ってる人が多いので、そういうことにしておこう。
じゃあ人間の顔が入ってないイメージ写真を使えばいいじゃんと思うのだけど、ファッション小売のお店だとそうも行かないんだろうなあ。
人間の顔じゃなければいいかというとそうでもなくて、写真を見て気づく人もいるかも知れないけど、マネキンの首もない。これらの店だけではなく、どの店でも、マネキンの首から上は無かった。
写真はないけどスポーツショップのディスプレイの男性モデルの顔もボカされていたので、ディスプレイに関しては女性だからどうこうというわけではないのかもしれない。

でもTVでは俳優・女優が普通に顔を出しているんだよなあ。それはいいんだろうか?
もしかして美の表現として人間の顔を表示するのがいけないのだろうか?つまり、モデルの顔っていうのがいけないのだろうか?
自主規制で?法律で?

まあ理由はよく分からないが、とにかく、この国では人間の顔を服屋のディスプレイに表示してはいけないのだ。


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