2010年11月15日月曜日

アブドゥル祭り

◆サウジネタ

サウジアラビアがメッカ・メディナの二大聖地を要するイスラム教国家であることは周知の事実だけれども、国民のなんと100%がムスリムであるという。
投票しないものを反革命分子として逮捕して選挙権を剥奪することにより、北朝鮮の最高人民会議代議員選挙の投票率はほぼ100%らしいのだが、100%というのはそういった類の数字であって、実態としてはありえず、何がしか操作されてないと出てこない数字だと思う。けれども、それはそれとして会ったサウジ人は確かに全員ムスリムだった。

ところで、ムスリムには、それらしき名前がある。ムハンマド(モハメド)って人は本当にたくさんいるし、他にも預言者系の名前、イブラヒーム(=アブラハム)とかイスマイール(サムエル)とかもたくさんいる。
ただ、僕が式典のゲストの招待などをして実際に見た名前では、アブドゥルなんとかがめちゃくちゃ多かった。混乱した。
ジョジョの第三部に「モハメド・アブドゥル」という名前のエジプト出身なのに螺髪の占い師がいたが、あれはステレオタイプなアラブ人ムスリムの名前なわけだ(後述するように間違いがあるけれども)。

手元にあるアブドゥルなんとかさんの名前をリストアップしてみた。

Abdulrahman アブドゥルラフマン
Abdulkarim アブドゥルカリーム
Abdulwahab アブドゥルワッハーブ
Abduladhim アブドゥラヒム
Abdullatif アブドゥラティフ
Abdulrazzak アブドゥルラザック
Abdulhamid アブドゥルハミッド
Abdullah アブドッラー
Abdulmajeed アブドゥルマジード
Abdel Aziz アブドゥルアジーズ
Abd al-Aziz アブドゥルアジーズ
Abdul-azeez アブドゥルアジーズ

アラブ人には日本と同じ意味での姓というものはなく、通常「自分の名前+親父(or家名)の名前」、という構成になっている。
これらは全部最初に来ることもできるし、後に来ることもできる。
例えば「Abdullah Abdel Aziz(アブドッラー・アブドゥルアジーズ)」あるいはその逆というように。
「のいるこいる」でも「こいるのいる」でも「阪神巨人」でも「巨人阪神」でも良い、というわけだ。まあほんとにどうでもいいけど。
だからアラブ人の名前はややこしい。初めて「松尾スズキ」という名前を見たときくらいのややこしさ。
そして、上記の3つの「アブドゥルアジーズ」のように、英語の異字表記がいっぱいあるからなんともはや。。。
まあ、ガイジンからしたら漢字で書いた日本人の名前をどう読むかの方が難しいんだろうけど。日本人にとっても難しいもんなー。

ちなみにこの「Abdul」というのは「Abd Al-XXX」(servant of the XXX)の略式表記らしい。
だからアブドゥルなんとかさんっていう人はみんな何かの下僕という意味になる。
そしてAl-XXXの部分、例えばAbdulrahmanなら「Al-rahman」(servant of the Merciful)は、「ザ・慈悲深い者」という意味なのだけど、これはアッラーの別名の一つなので、意味としては「神の僕」ということになる。他のアブドゥルも一緒で、意味は全部「神の僕」。「Abdullah」なんかはまさに「アッラーの僕」という名前。
アッラーは99の名を持つらしいので、多分99のアブドゥルなんとかという名があるのだと思う。
どうでもいいけど、二つ名どころか99の名を持つとか、アッラーさんの中二力はハンパない。。。


というわけで、ジョジョのアブドゥルはステレオタイプなムスリム風の名前なのだけど、「Abd Al-XXX」のXXX部分が欠けているので、実際にはムスリムの名前としては機能しないんだ。多分。

ついでに上記に挙げた名前の意味を調べてみた。

Abdulrahman 慈悲ある者の僕 (the merciful)
Abdulkarim 高貴なる者の僕 (The Most Generous)
Abdulwahab 与える者の僕 (the giver)
Abdulrazzak 与える者の僕 (the all-provider)
Abduladhim もっとも偉大なる者の僕 (the most great)
Abdullatif 情け深い者の僕 (the kind)
Abdulhamid 賛美される者の僕 (the prised)
Abdullah アッラーの僕 (the allah)
Abdulmajeed 栄誉ある者の僕 (the Glorious)
Abdel Aziz 力ある者の僕 (the powerful)

どれか一つ、僕の二つ名に欲しい。

参考:
JETRO「アラブ人名の由来と正しい読み方」
http://www.jetro.go.jp/world/middle_east/sa/others/pdf/name.pdf





2010年11月14日日曜日

趣味は偶像破壊です


◆日記

先週の失態があり、今週はずっと凹んでいた。
mixi日記で凹み具合を文章化したところ、4人からコメントがあったうちの3人からそれぞれ、仏教・イスラム教・道教をオススメされてしまう始末。

オーケー分かった、せっかくだから俺は幸福の科学を選ぶぜ!(エンターテイメントを重視)

嘘だけど。

あと、入社後3年経ったということで、全社向けにこれまでの業務の成果報告のようなものをすることになった。僕だけじゃなくて同期全員ね。
これまで暖めて暖めて、我慢して我慢して、ちょろっとこぼしてみたり、熱が冷めてしまったりしつつ練り上げてきた、勤め先の標準原価計算システム批判+改善案を、ついに全社に広めるチャンスがやってきた!!

最初は現在の業務(海外事業の立ち上げ支援)を重視して、海外事業の概要紹介をしようとして一昨日部内発表したら、部長から「こんなの幹部はみんな知ってるんだし、全然君の魂が入ってないから、全部やり直しね」と言われてしまった。
確かにそうだ。別にそんなことは好んで報告したいことではない。パンク魂をすっかり忘れてしまっていたようだ。
部長なんていうサラリーマンをやりきったようなポジションの人からファッションパンクと呼ばれるようでは、パンク学部助教授としてのメンツが立たないではないか。
ここは一発、既存の観念をぶち壊してやろうじゃないか!

そう思い直してガシガシとエクセルとパワポをいじっていたら、昨日のうちにほとんど出来てしまった。たった一日で。前の奴は一週間かかったのに。
やっぱり自分が本当にやりたいことをやってるときは集中力が違うな。
というか、これまで当然と思って自分たちが運用していた判断基準を思いっきり否定される幹部の反応を想像すると楽しくて仕方がないのだった。
自分の中に伝えたいことがあるのではなく、人が大切にしてきたものとかがんばって取り組んでいることとかに横槍を入れてブチ壊しにするのが好きなんだな、僕は。フヒヒ


まじめな話、最近自分になんのポリシーも特技も専門性もないことについて悩んで鬱々としていたけども、何か当たり前とされていることについて疑義を呈する、というのが僕のやりたいことで得意なことで好きなことなのかもしれないなあ。
これまでやってきたことを考えるに。




2010年11月8日月曜日

めんどくさい+黒塗り


◆日記

僕は何事も徹底せず中途半端にする性分で、取り掛かりも遅く、事前に必要条件を見極めていないため、取り掛かった後も作業は難航しがちだ。
それでいつもいろいろなことがギリギリになり、遅延やミスが生じたりする。
何度も何度も公私共にそういうことがあって、その度に激しく自己嫌悪しているのだけど、全然治ってない。
こういうのを悪習慣っていうんだろうなあ。
たった今だって、ファスト・プライオリティーを置くべきタスクは寝ることなのにこんな文書いてるしなあ。

この習慣を何とかしない限り、いくら勝間和代を読んだってドラッカーを読んだって架神恭介を読んだって、立派な社会人にもテクノロジストにもリアルパンクロッカーにも禅僧にもなれないし年収も10倍にならないぜ!
まあ実はそれらは比較的どうでもいいのだけど、りっぱな社会人にもパンクロッカーにもなれないということは、モテないということであって、それは問題だ。

先日も女の子の誕生日を聞き忘れていて、誕生日周辺にサシで呑む機会があったのにお祝いできなかった。…ことにあとから気づいた。最悪。死にたい。

なんとかしたい。何から始めればいいんだろう?
ドラッカーによれば(『経営者の条件』)、あらゆる事において常に時間こそが最大の制約条件であって、時間を管理できないものは何も管理できないのだとか。
……うん、それはよく分かる。

そして時間を管理する第一歩は時間の使い方の記録を付けることだという。
……うわあ、それ、すごくめんどくさいなりぃ。。。拙者には無理なりぃ。。。


◆今日のサウジ出張報告テーマ:黒塗り

何が載ってたのが全く分からない。なぜだか、ぼやけた黒い塊を見ているとジワジワと恐怖感が湧いてくる。

これ、お姉さんが着てるのはノンスリーブ+短パンタイプのセパレート水着ですから。全身タイツじゃないですから。
塗り絵、綺麗にできたね!よしよし。


一転してこれは雑だねえ。それはもう塗らなくてもいいよね。上のは塗ってないしね。

これは塗ろうよ。



サウジアラビアでは、生身の女性が肌を隠すのと同様に、2次元の女性も肌を隠すことになっている。なので、海外、特に欧米から輸入した製品に肌を顕にした女性がプリントされている場合は黒く塗りつぶす事になっているようだ。
だけど、全部が全部塗られているわけじゃなくて、写真にもある通り塗られていないものもある。
正直なところやってらんないんだろうねえ。
多分これ小売店の人が作業するんだと思うんだ。お店によって徹底度が違うから。
それで人間が手作業で塗るんだからコストが掛かるわけですよ。
商品によってはお店の粗利なんてホント微々たるものってものもあるわけで、全部が全部丁寧になんてやってらんないよねえ。
かといって一番上の写真みたいにスプレーでバーっとやっちゃうとパッケージが消費者に訴える力がなくなっちゃうし。
難しい。大変だ。面倒だ。

Pink!なんかの洋楽CDも塗られてたけど、中のブックレットじゃなくてプラケースが塗られてただけだから、ケースから出したら肌が顕になっちゃう仕様だった。
隠したいのか隠したくないのかよく分からない。公になってなければいいのか?
(そのCD実物を買って持ってきたのだけど、見つからない。物が管理できてないのだ!)